イベント情報

丸島愛樹会員が取材をうけました(2017.11.07)

日経メディカルに、当研究会会員、丸島愛樹先生の記事が掲載されました。
ますますのご活躍をお祈りしております。

**************************************************

学会トピック◎第45回日本救急医学会総会・学術集会

急性期脳梗塞に対する血栓回収法の時間短縮のポイント

2017/11/7

坂井 恵=医療ライター

 

 「急性期脳梗塞の血栓回収法における開通までの時間短縮のカギは、救急車が到着した当初から脳外科医が治療に介入できる体制をつくること」――。大阪市で開催された第45回救急医学会総会・学術集会(10月24~26日)で、筑波大学医学医療系救急・集中治療科の丸島愛樹氏は、脳梗塞患者の血栓回収法について、病院到着から血流開通までの時間短縮の取り組みを紹介。時間短縮のために必要な体制整備について語った。

 

 急性期脳梗塞における血栓回収法は、開通までの時間が長くなるほど転帰不良となることが知られており、時間が予後を大きく左右する。そこで同院救急・集中治療科では業務改善を行い、救急車の病着から血流開通までのトータルの平均時間を60分近く短縮し、132分にした。しかし、「さらなる時間短縮には、救急科だけでなく、脳神経外科や放射線科なども巻き込んで体制を大きく変える必要あった」と丸島氏。救急・集中治療科、脳神経外科、看護部、放射線科からなる脳卒中診療ワーキンググループを発足させ、脳卒中救急診療体制の整備に取り組んだ。

 

 主な内容は、救急隊との連携、情報共有、脳卒中オンコール体制の整備、救急部・看護部・放射線部の連携、血液検査項目の見直し、画像検査プロトコルの変更、血管造影室までの動線選択と整備――など。例えば、血栓溶解(tPA)静注療法や造影CTのための血液検査を血小板数、血糖値、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)、BUN/Ccrの4項目に絞り、検査部のスタッフが待機して検体採取直後に搬送するようにしたり、迅速キットを購入し、PT-INRはその場で測定するなどした。

 

 また、以前はCT撮影後にMRIもしくは造影MRを実施していたのを、造影CTで代用することとし、血管造影室への患者搬送をせず、ERの血管造影室で行えるようにした。

 

 その結果、改善前(2014年4月~2015年7月)の9例と、新体制(2016年3月以降)の8例で比較したところ、病着からtPA(D2N)までの時間は78.5分から33.0分に、病着から穿刺(D2P)は116分から46.0分に、病着から再開通(D2R)は186.0分から89.5分と、いずれも有意に短縮され、目標としていたD2N30分、D2P60分、D2R90分をほぼ達成できた。転帰を示すmRSについては、改善前後でほとんど変化なかったが、24時間後のNIHSSは0.2から7.25に改善していた。

 

 丸島氏によると「時間短縮効果が高かったのは、救急車の病院到着時からすぐに脳外科医が介入できる体制にしたこと」。救急隊からの連絡で、脳卒中の可能性が見られたら、救急看護師が脳外科、放射線科などに連絡し、病院到着時点には全てが動き出せる体制にしたことが大きかったという。「結果として脳梗塞以外の疾患の場合もあるが、血栓回収法が必要となる前提で準備を進めておくことが、時間短縮には欠かせない」と言う。

 

 また、この体制を24時間365日、維持する必要があり、そのためには「地域に包括的脳卒中センターを設けて症例を集中させることが必要。そのためには他院との連携、後方ベッドの確保なども重要となる」と話した。